ふと夕飯の献立を考えていて、
「唐揚げって、どこの料理なんだろう?」
と気になったことはありませんか?
日本の食卓ではすっかりおなじみの唐揚げですが、
海外の料理なのか、日本生まれなのか、
意外と知られていないかもしれません。
今回は、唐揚げの
名前の由来や
ルーツの国、
そして日本でどうやって定着してきたのかなどを、
じっくり調べてみました。
「なんとなく中華っぽい?」
「唐って中国の唐?」
と思っていた方も必見です。
そもそも唐揚げって何?
唐揚げは、鶏肉などの食材に
下味をつけて揚げる料理です。
代表的なのは鶏の唐揚げですが、
白身魚やイカなどを使うこともありますよね。
衣には片栗粉や小麦粉を使うなど、
ご家庭ごとに作り方もさまざまです。
「唐揚げ」は「からあげ」「から揚げ」「空揚げ」など表記の違いもあります。
「唐揚げ」という名前の意味は?
まずは名前の由来について。
「唐」という漢字から、
中国が関係している
と感じる方も多いはず。
実際、名前のルーツには
中国料理の影響があるようです。
① 唐風の揚げ物だった説
「唐」は中国の古い王朝「唐」ではなく、
「中国風」や「外国風」という意味として使われていたと言われています。
つまり、
「唐揚げ」は“中華風の揚げ物”という意味合いで
使われ始めたとも解釈できます。
② 江戸時代からあった揚げ調理法
実は江戸時代にはすでに
「唐揚げ」という言葉がありました。
ただしこの頃の「唐揚げ」は
素揚げのような調理法を指していたとされています。
味をつけずにそのまま油で揚げた調理法が、
当時「唐揚げ」と呼ばれていたんですね。
唐揚げの名前は、調味よりも“調理法”に由来していた可能性が高いです。
③ 鶏の唐揚げはいつ誕生?
今のような下味をつけた
鶏肉の唐揚げが登場したのは、
昭和初期ごろと言われています。
当時のレシピ本には
「鶏肉に醤油やお酒で下味をつけ、
片栗粉をまぶして揚げる」と記されています。
この形が今の唐揚げの原型になったと考えられています。
唐揚げはどこの国の料理?
唐揚げというと、
中華料理のようなイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも実は、
唐揚げは日本で独自に発展した料理
だと考えられています。
中国が起源ではないの?
「唐」という漢字がつくので、
中国由来の料理と思われがちですが、
中華料理に“唐揚げ”という料理名はありません。
中国には揚げ物文化があり、
油淋鶏(ユーリンチー)や炸鶏(ジャージー)といった
鶏の揚げ物がありますが、
日本の唐揚げとは調理法も味付けも異なります。
日本で独自に発展した料理
現在の「鶏の唐揚げ」は、
昭和初期に家庭料理として広まり、
その後給食やお弁当の定番として
親しまれていきました。
特に1970年代以降には
惣菜としても販売され、
全国に定着していきます。
唐揚げは中国由来ではなく、日本の食文化の中で生まれた和風の揚げ物です。
他の国にも「揚げた鶏」はある?
世界には、鶏肉を揚げる料理がたくさんあります。
ただし、味付け・衣・食べ方に違いがあり、
それぞれの国の文化が表れています。
ここで、日本の唐揚げと各国の代表的な揚げ鶏を
表にまとめてみました。
国・地域 | 料理名 | 特徴 |
---|---|---|
日本 | 唐揚げ | 醤油ベースの下味+片栗粉 ジューシーで甘辛い |
中国 | 油淋鶏 | 下味なし、揚げた後に香味だれをかける |
韓国 | ヤンニョムチキン | 衣カリカリ+甘辛ソースに絡める |
アメリカ | フライドチキン | スパイス衣+揚げ油たっぷり ボリューム満点 |
同じ「鶏の揚げ物」でも、
国によってまったく異なる個性があるのが面白いですね。
唐揚げはなぜこんなに人気?
ここまで見てきたように、
唐揚げは日本で進化した家庭料理です。
毎日のごはんにも、
お弁当にも、
おつまみにもぴったりで、
子どもから大人まで幅広く人気があります。
揚げたての香ばしさとジューシーさが、唐揚げ最大の魅力です。
唐揚げの進化とご当地化
いまや唐揚げは、
ただの家庭料理にとどまらず、
ご当地グルメとしても注目されています。
日本各地には、地域ならではの味付けや作り方で
進化した唐揚げがたくさんあるのです。
① ご当地唐揚げの一例
たとえば、大分県の中津からあげは
全国的にも有名で、専門店が軒を連ねています。
濃いめの下味とサクサク食感が特徴で、
テイクアウト文化とも相性バツグン。
北海道のざんぎも、
唐揚げの一種として知られています。
こちらは生姜やニンニクを効かせた
濃厚な下味が魅力。
「唐揚げ」と「ざんぎ」はほぼ同じものですが、
地域や歴史の違いで呼び名が分かれています。
② からあげグランプリって?
毎年開催される「からあげグランプリ」では、
全国の唐揚げ店が味を競い合っています。
部門別にエントリーされ、
金賞・最高金賞などの受賞歴は、
お店のブランド力にも。
イベントを通じて、
唐揚げが地域活性のきっかけにもなっているのが面白いところです。
イベントでは投票参加もできるので、
食べ比べが好きな方にぴったり!
③ 家庭と専門店の違いとは?
最近は唐揚げ専門店も増えてきましたが、
家庭の唐揚げにはまた違った魅力があります。
好きな味付け・揚げ具合・油の種類など、
自分好みにアレンジできるのが
家庭料理の強み。
一方、専門店では
肉質や漬け込み時間など
プロならではのこだわりが感じられます。
どちらにも良さがあるので、
シーンに合わせて選びたいですね。
まとめ
ここまで見てきたように、
唐揚げは日本生まれの料理として
時代とともに形を変え、進化してきました。
中華でも洋食でもなく、
「和風の揚げ物」として
家庭にも外食にも根づいています。
だからこそ、
日々の食卓でも、
お弁当でも、お祝いごとでも
愛されているのかもしれません。
唐揚げという身近な料理にも、
こんなにたくさんの歴史や意味が詰まっていると思うと、
なんだかもっと味わって食べたくなりますよね。
次に唐揚げを食べるときは、
「これは日本独自の文化なんだな」と
思い出していただけたら嬉しいです。
食卓にある当たり前の料理に、
ちょっとした背景や物語があるだけで、
暮らしが少し豊かに感じられますね。
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