年賀状じまいの正しい書き方｜ビジネス向け例文フルバージョン付き

近年、年賀状を送る習慣が減りつつある中で注目されているのが「年賀状じまい」です。

これは単なる習慣の終了ではなく、これまでのお付き合いに感謝を伝え、今後は別の形で交流を続けるための大切なマナーです。

特にビジネスの場では、表現を誤ると相手に不快感を与えかねないため、言葉選びや文面の工夫が欠かせません。

本記事では、「年賀状じまい 年賀状に書く ビジネス」をテーマに、取引先・顧客・社内向けに使える例文を豊富に紹介します。

短文からフルバージョンの例文まで揃えているので、相手や状況に合わせてそのまま使えるのが特徴です。

また、年賀状に代わる新しい挨拶方法についても解説しており、これからの時代に合ったスマートなつながり方が見つかります。

年賀状じまいをきっかけに、より良いビジネス関係を築くための一歩を踏み出しましょう。

年賀状じまいをビジネスで伝える意味とは

ビジネスの場における「年賀状じまい」は、単なる挨拶の省略ではありません。

相手との関係を大切にしながら、新しい形でのつながりを築くきっかけになります。

ここでは、年賀状じまいの基本的な意味と、企業が取り入れ始めている背景を見ていきましょう。

そもそも年賀状じまいとは何か

「年賀状じまい」とは、これまで続けてきた年賀状のやりとりを終了することを相手に伝える行為です。

単にやめるのではなく、最後の年賀状に感謝の言葉を添えて知らせるのが一般的です。

これは「終活年賀状」とも呼ばれ、近年では個人だけでなくビジネスの場でも見られるようになっています。

言葉	意味
年賀状じまい	今後は年賀状を送らないことを知らせる
終活年賀状	最後の年賀状として感謝を伝えるもの

なぜビジネスでも必要になっているのか

ビジネスの場で年賀状じまいが増えているのは、作業負担やコストの削減だけが理由ではありません。

近年はメールやオンラインツールが主流となり、紙のやりとりにこだわらなくても円滑な関係が維持できるようになりました。

つまり、年賀状じまいは「交流をやめる」のではなく、「方法を変える」選択肢なのです。

従来	現在
年賀状での挨拶	メール・SNS・オンライン会議での挨拶
郵送コストや準備の負担	デジタルで簡潔にやりとり

企業が実際に年賀状じまいを進める背景

調査によると、すでに多くの企業が年賀状じまいを取り入れています。

郵便料金の値上がりや業務効率化に加え、社会全体の意識変化も大きな要因です。

「大切なのは形よりも心」という考え方が広がっており、相手への気持ちを別の方法で示す流れが強まっています。

背景	具体的な内容
コスト面	郵便料金や印刷費用の増加
効率化	大量の宛名書きや管理業務の削減
時代の変化	デジタルツールでの新しいつながり

年賀状じまいを年賀状に書くときの基本マナー

年賀状じまいを相手に伝えるときは、ただ「やめます」と書くだけでは不十分です。

誤解を避け、相手に不快感を与えないためのマナーを押さえることが大切です。

ここでは、年賀状じまいを書く際に気を付けたいポイントを具体例とともに紹介します。

意思をはっきり伝えるための言葉選び

最も大切なのは、あいまいな表現を避けて分かりやすく伝えることです。

例えば「来年からは年賀状を控えさせていただきます」といった表現が適しています。

「控える」「失礼する」といった言葉を使うと丁寧に伝わるため、相手に角が立ちません。

表現例	ニュアンス
来年からは年賀状を控えさせていただきます	丁寧で柔らかい伝え方
今年の年賀状をもちまして失礼いたします	区切りをはっきり示す

理由を添えるときの表現の仕方

理由を伝えることで相手に安心してもらえますが、言い回しには注意が必要です。

ネガティブに感じさせず、前向きな理由や自然な流れを強調しましょう。

短文例文：

「生活環境の変化により、今年をもちまして年賀状を控えさせていただきます。」

フルバージョン例文：

「あけましておめでとうございます。旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。勝手ながら、生活環境の変化により、今年をもちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。これまでのご厚誼に心より御礼申し上げるとともに、今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。」

感謝を伝えるフレーズの入れ方

「今までありがとう」の気持ちを言葉にすることで、好印象につながります。

例えば「長年にわたり年始のご挨拶をいただき、心より感謝申し上げます」といった表現がおすすめです。

感謝の言葉を添えるだけで温かい雰囲気になるので必ず入れましょう。

フレーズ	使いどころ
これまでのご厚情に心より感謝申し上げます	取引先や顧客向け
長年にわたりありがとうございました	社内の上司・同僚向け

代わりの連絡手段を案内するコツ

年賀状をやめても関係を続けたい場合は、別の方法を示すと安心してもらえます。

メールアドレスやSNSアカウントを添えるのも有効です。

短文例文：

「今後はメールにて新年のご挨拶をさせていただければ幸いです。」

フルバージョン例文：

「あけましておめでとうございます。これまで長年にわたり年賀状でご挨拶をいただき、心より御礼申し上げます。誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状でのやりとりを終了させていただきたく存じます。今後につきましては、メールにてご連絡を差し上げたく存じますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。」

手段	例文の使い方
メール	「今後はメールでご連絡申し上げます」
SNS	「SNSを通じてご挨拶させていただきます」

ビジネスシーンでの年賀状じまいの書き方

ビジネスにおける年賀状じまいは、個人以上に言葉選びや礼儀に注意が必要です。

相手に失礼なく伝えるためには、状況に応じた文面を工夫することが欠かせません。

ここでは、取引先・顧客・社内の関係者向けに、それぞれの例文を紹介します。

取引先への文例と注意点

取引先には特に丁寧さが求められます。

個人的な事情を長々と書く必要はなく、感謝を中心に簡潔にまとめましょう。

短文例文：

「誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状によるご挨拶を終了させていただきます。」

フルバージョン例文：

「謹んで新年のお喜びを申し上げます。旧年中は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状によるご挨拶を終了させていただくことといたしました。今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。」

ポイント	理由
長文より簡潔に	相手に負担を与えない
感謝を強調	礼儀正しさを示す

顧客向けに伝える場合の文例

顧客への連絡では、これまでのお付き合いに感謝し、今後も変わらず大切にしたい姿勢を表しましょう。

短文例文：

「本年をもちまして、年賀状でのご挨拶を終了いたしますが、今後ともご愛顧のほどお願い申し上げます。」

フルバージョン例文：

「あけましておめでとうございます。旧年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことといたしました。今後はこれまで以上に真摯な対応を心がけてまいりますので、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」

フレーズ例	使う場面
今後ともご愛顧のほどお願い申し上げます	顧客全般
これまでのご厚情に深く感謝申し上げます	長い付き合いの顧客

社内（上司・同僚）に伝えるときの文例

社内での年賀状じまいは、あくまで日常的な関係が続く前提で伝えるのがポイントです。

堅苦しくなりすぎず、誠意を込めた言葉を選びましょう。

短文例文：

「勝手ながら、今年の年賀状をもちましてご挨拶を控えさせていただきます。」

フルバージョン例文：

「あけましておめでとうございます。旧年中は多大なお力添えをいただき、心より御礼申し上げます。勝手ながら、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を終了させていただきたく存じます。今後も変わらずご指導いただけますようお願い申し上げます。」

ケース	文例の特徴
上司向け	感謝と今後の指導を願う言葉を加える
同僚向け	形式ばらず、協力への感謝を伝える

年賀状じまいを上手に伝えるための工夫

年賀状じまいは「伝え方次第」で印象が大きく変わります。

ここでは、相手に不快感を与えず、むしろ温かみを感じてもらえる伝え方のコツを紹介します。

文章の流れや表現の選び方を工夫することで、円滑に気持ちを伝えられます。

挨拶文から自然に導入する方法

いきなり「年賀状をやめます」と切り出すと唐突に感じられます。

まずは新年の挨拶で始め、その後に自然に話題をつなげるのがスマートです。

短文例文：

「あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。なお、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただきます。」

フルバージョン例文：

「謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。誠に勝手ながら、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を終了させていただきたく存じます。今後とも変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。」

工夫	効果
冒頭に新年の挨拶を入れる	唐突さを和らげる
理由や感謝を後から加える	相手が納得しやすい

曖昧表現を避けて誤解を防ぐ

「しばらく控えます」といった表現は、相手に「また再開するのか？」と誤解を与える可能性があります。

「今年をもちまして終了いたします」のように明確に伝えましょう。

短文例文：

「本年の年賀状を最後とさせていただきます。」

フルバージョン例文：

「あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりありがとうございました。恐縮ながら、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を終了させていただきます。今後は別の方法にてご連絡を差し上げたく存じますので、引き続きよろしくお願いいたします。」

対象が全員であることを伝えるメリット

「あなたには送らない」という印象を与えないために、「皆様へ一律で」と明示するのが安心です。

そうすることで、余計な気遣いや誤解を避けられます。

短文例文：

「誠に勝手ながら、本年をもちましてすべての方への年賀状を終了させていただきます。」

フルバージョン例文：

「謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は多大なるご厚情を賜り、心より感謝いたします。このたび勝手ながら、すべての皆様に対し、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただきます。何卒ご理解のほどお願い申し上げますとともに、今後も変わらぬご交誼をお願い申し上げます。」

交流を続けたい意思を示す書き方

年賀状をやめる＝交流を断つ、と思われないようにすることが重要です。

「今後も変わらぬお付き合いを」という一言を入れるだけで印象は大きく変わります。

短文例文：

「年賀状は終了いたしますが、今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。」

フルバージョン例文：

「あけましておめでとうございます。旧年中は格別のお引き立てをいただき、心より御礼申し上げます。このたび勝手ながら、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を終了させていただきます。とはいえ、今後も変わらず良好な関係を築いていければと存じますので、引き続きよろしくお願いいたします。」

工夫	相手の印象
「今後も変わらぬご厚誼を」	安心感がある
「これまでのご厚情に感謝」	温かみを感じる

年賀状じまいに代わる新しい挨拶方法

年賀状をやめることは、必ずしも挨拶そのものをやめることではありません。

大切なのは「形を変えても気持ちを伝える」ことです。

ここでは、年賀状じまいのあとに取り入れやすい新しい挨拶の方法を紹介します。

ビジネスメールでの新年挨拶

年賀状に代わってもっとも一般的なのがビジネスメールでの挨拶です。

メールなら即座に届けられ、コストや時間の負担も少なくなります。

短文例文：

「新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

フルバージョン例文：

「株式会社〇〇　△△様
新年あけましておめでとうございます。旧年中は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。本年も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」

メリット	注意点
即時性がある	一斉送信の場合は宛名を間違えないようにする
コストがかからない	形式ばかりにならないように気持ちを込める

SNSやオンラインツールでのスマートな伝え方

ビジネスSNS（LinkedInなど）やチャットツール（Teams・Slackなど）を使った新年の挨拶も増えています。

カジュアルすぎない表現を選べば、むしろ現代的でスマートな印象を与えられます。

短文例文：

「新しい年のご多幸を心よりお祈りいたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

フルバージョン例文：

「皆様、新年あけましておめでとうございます。昨年は多くのご支援を賜り、心より感謝申し上げます。本年も一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。」

使う場面	注意点
社内のグループチャット	くだけすぎず、短く端的に
ビジネスSNS	公開投稿なので過度に個人的な表現は避ける

季節ごとの挨拶状を取り入れる工夫

年賀状をやめても、別の季節に挨拶を送る方法があります。

例えば、暑中見舞いや残暑見舞いを利用すると、さりげなく関係を保つことができます。

短文例文：

「暑中お見舞い申し上げます。猛暑の折、どうぞご自愛くださいませ。」

フルバージョン例文：

「拝啓　盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。暑さ厳しき折から、皆様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。」

挨拶方法	特徴
暑中・残暑見舞い	夏の季節に自然に送れる
寒中見舞い	正月以降の挨拶に活用できる

まとめ：ビジネスにおける年賀状じまいの正しい伝え方

年賀状じまいは、単に習慣をやめるのではなく、相手との関係をより良い形で続けるための工夫です。

ポイントは「はっきりと伝える」「理由を簡潔に添える」「感謝を忘れない」「代わりの手段を示す」の4つです。

ビジネスの場では特に、礼儀正しく誠意を込めた文面にすることが大切です。

チェック項目	具体例
意思表示	「本年をもちまして年賀状を終了いたします」
理由	「環境の変化により」「業務効率化のため」など
感謝	「これまでのご厚情に心より感謝申し上げます」
代替手段	「今後はメールにてご挨拶申し上げます」

これまで紹介してきたように、短文例文からフルバージョン例文まで活用することで、相手に合わせた最適な表現が可能です。

年賀状じまいをきっかけに、メールやSNS、季節の挨拶状などを取り入れると、むしろ新しい交流の形が広がるでしょう。

つまり、年賀状じまいは「終わり」ではなく「新しい始まり」なのです。

ビジネスの信頼関係を大切にしつつ、柔軟な方法で未来につなげていきましょう。